第49章……最期

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山崎が化粧道具を片付けていると、部屋の外から声をかけられる。 その声に「もう来ちゃったか……、」と山崎は小さく呟くと詩音に視線を向ける [山崎さん…?] 山「詩音。……もうゆっくり話す時間ないから伝えとく。 詩音が決めた事、今更反対するつもりはない。 むしろ自分で決めた事を貫き通して偉いとすら思ってる。 ………言いたい事沢山あったのに、今は正直言葉が出てこないや。 だから、最後にこれだけ言っておく。 最後の最後まで…君らしく、いてほしい…。」 以上、大先輩の優しい山崎さんからでした。 と笑いながら立ち上がる。 詩音から視線を反らし、襖を開けると「またね、詩音。いつかまた会おう」と部屋から出ていった。 [………山崎さん] 視線を合わすことなく部屋から立ち去った山崎。 これが、山崎との本当に最後の挨拶だと分かっていた。 「いつかまた会おう」の軽い一言。 だが、決して言葉の重みは軽くはなかった。 そして入れ替わりに原田が入ってくると 「お、綺麗にしてもらったなー。いいんじゃねぇか?」と笑いながら詩音の前に座り込む。 […ありがとうございます。原田さん] 原「ほら、これやる。」 […和泉屋のお団子] 原「餞別だ、好きだろ?」 紙に丁寧に包まれたお団子。 和泉屋の団子は詩音がよく食べていた菓子 原[………こんなんで、悪いな] [……いえ、、態々ありがとうございました。]
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