第49章……最期

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いつも食べる事が早かった原田だが、今日ばかりは詩音が団子を食べ終えても、未だ団子を手にしていた。 原「早く食べ過ぎだ。俺より食うのはやくなったんじゃねぇのか?お前」 [そんな事ないですよ。 原田さんこそ遅くなったんじゃないですか?] 原「ゆっくり、一つ一つ味わってんだよ」 沢山あった団子も、串だけになっており 残すは原田が手に持った1本だけだった。 原「これが最後の1本か…、」 [沢山食べましたね] 原「食べ切れねぇほど買ったつもりなんだけどな。無くなっちまうのは駄目だったんだが」 [あまり食べすぎるのも良くないですよ] 原「やけ食いだ、やけ食い。今日は良いんだよ。この団子がある時は俺の好きにして良かったんだが、、」 最後の1つを口に入れる。 「……はぁぁ、……よし。じゃあ、行くか」と、投げかけると頷く詩音 原「よっこらしょ、っと…はぁぁ、食った食った」 [一気に食べるからですよ、残しておけばよかったのに] 原「お前の為に買ったって言っただろ?残してたら意味ねぇ」 「行くぞ」と声をかけると立ち上がり、部屋から出てある場所へ向かう。 原「裏庭に向かう」 はい、と返事をすると原田はゆっくり歩き始めた。 その後ろを付いて行く。 足取りは、何となく重かった。
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