第49章……最期

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沖田は座り込む詩音の目線に合わせるようにしゃがみこむ。 刀を横に置き、唇を噛み悔しそうにする沖田 沖「詩音。あなた、自分がどれだけ酷い事言ってるかわかってますか?……僕に、……よりによって、1番付き合いが長い僕に…普通頼みます?」 [理解しているつもりです。それに…普通、こんな事頼まないって分かってます。 でも、それでも、唯一お願いを聞いてもらえるなら、…あなたの手で。他でもない、あなたに。 1番、私と仲良くしてくれた…。家族の総司に。] 沖「……っ、、、」 [死ぬのはやっぱり、、ちょっと怖いんです…。 自分で決めて望んだこと。後悔はしてないです。 ……最後の最後まで迷惑かけて、ごめんなさい。] 詩音は目に溜まった涙を拭い、 沖田にしがみつく様にぎゅっと抱き寄せる。 沖「!!……っ」 [ごめん。……ごめんなさい、] 沖「ばか………本当に、大馬鹿っ、、」 [うん。…本当に馬鹿だ、わたし] 沖田は詩音を抱きしめ返し、 ポツリと小さく耳元で呟くと詩音はただ笑った。 「……好きだ。大好きなんです。詩音の事が」 [………ありがとうっ、総司…] そこからの時間の流れは早かった。 詩音は大きく深呼吸をし、用意された処刑場へ膝をつく。 震える手を必死に抑えながら、首が見える様に長い髪を持っていた髪紐でまとめあげる。 沖田はその詩音の姿に今にも泣き出しそうに顔歪めながら刀を構えた。 平助は涙目で詩音をジッと見守り、 原田は悔しそうに唇を噛みしめる。 近藤は「大丈夫。大丈夫だ詩音」と呟き、 何も言わない土方はギュッと拳を握りしめていた 斎藤は小さく震える詩音から一切目を離さずにいた。 そしてーー 短刀を腹に突き刺さるのを確認すると 刀が詩音に向かって振り降ろされた。 風が心地よく吹き、 天気が良かった日のこと。 1つの命が失われた。 倖城 詩音  ーー死亡ーー
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