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あ、そうだ。
「4回。」
ビシッといい放ってみせる。
「……は?」
すると陸は困惑したようすで首を傾げた。
そんな顔しても分かってるよ。
誤魔化そうとしたってムダ。
「さっき、陸がいやっていった数。ちゃんと数えてたんだから。」
どーせ後になって「さっきいやって何回言ったでしょう?」とか言うつもりだったんでしょ。
本当くだらないことが好きなんだから。
まぁ?童心の心を忘れないことって大切だと思うけどさぁ陸の場合……
「ちょっと、何その顔。」
気持ち悪い眼差しを俺に向けてくる陸。
喧嘩売ってんの?
「暖かい目だよ。」
「は?」
「いや~なんか朔ってたまに変なこと言うよなと思って。可愛い可愛い。」
そう言ってグシャグシャと頭を撫でられる。
あ゙ーっ俺の整えられた髪がっ!!
「このボケナス!俺の頭を気安くなでるなっ!!」
「ちょ、イタイイタイっ!朔君イタイっ!!」
「……なにしてんだ、お前ら。」
陸の髪を(おもいっきり)引っ張っていると、後ろから誰かに声をかけられた。
この声は…
「会長?」
何で教室に…
「キャーーッ会長様素敵ー!!」
「何で会長様がこんな所に!?」
途端に周りがざわつく。
人気者はつらいねぇ。
……ん?まずくない?
今日、俺は会長と帰る約束をしてて…
つまり会長がここに居るのは、迎えにきてくれた…とかだったりして。
もしそうだったらまずい。
非常に好ましくない事態だよ!
初日から親衛隊に目つけられるとかありえないから!!
「会長、さっさと帰りましょうか!!」
とにかくここからでないと!
そう考えてグイグイ会長の腕を引っ張る。
「随分積極的だなぁ……」
こらっニヤニヤするな!!
会長…絶対面白がってない?
「おもいっきり注目の的になってんじゃん。」
背後で陸がそう呟いたのが聞こえた。
あーもうっ、わかってるよ!!
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