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「ええ、欲しいのでしたら差し上げますよ?
まだまだありますし。」
文はそう言いながらポシェットに手を入れ、バッ!と五冊のアルバムを取り出して片手で扇のように開く。
「な、なな何でそんなにある……と言うか、そのポシェットにどうやったら六冊もアルバムが入るんですか!」
『ブン屋の嗜みです(……ですね……)(よね)(だよね!)』
「なんなんですか、その片付けの技術を馬鹿にするような嗜みって……」
全員声を揃えて言ったのを聞いて、咲夜は「それは、確かに私だって御屋敷に能力を使って、中を広くしてますけど……」と頬を少し膨らませて呟きながら、そっぽを向いてお茶を飲む。
「美味しい……
はぁ、私もまだまだこの域には至れてませんね……」
「そもそも……咲夜ちゃんが何時も淹れるのは紅茶ですからね……
でも……、咲夜ちゃんなら、きっとすぐに緑茶を淹れるのも上手になりますよ……」
「ありがとうございます、太助さん……頑張ってみます」
太助の言葉に嬉しそうに顔を緩ませ、咲夜がそう言うと、縁側から声が掛かる。
「太助さん、お庭のお手入れ終わりました……
あ、レミリアさん達も来たんですね。」
「あやや?来てたんですか、妖夢さん」
「どうぞ、妖夢さん……」
「ありがとうございます、太助さん。
はい、少し前に来て、庭のお手入れをしてたんです」
お茶を一口飲んで、妖夢はほぅ……と溜め息をつく。
「やっぱり美味しいですねぇ……太助さんのお茶。」
「ですよねぇ……」
「全くね……」
「うん……」
「そうですね……」
まったり、のんびりとした空気が、部屋の中に広がった。
友人達が太助と共にお茶を飲むと、その味と太助本人の雰囲気で何時もこんな空気になる。
『ほぅ……』
そんな、件と友人達の日常の様子。
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