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よし、みんな席についたな?
それでは、授業を……ん?どうした、お前が自分から質問なんて珍しいな。お前のことだから勉強絡みでは無さそうだが、どんな事が聞きたいんだ?
……は?妹紅と同じ位に仲の良い友人は他にいるか、だと?
そうだな、あまり会えないが、1人いる。……何だ、その心底意外そうな目は?私にも、仲の良い友人くらいいるに決まっているだろう?
何故あまり会えないか、だって?まあ、そう思うのも当然か。
何故かと言うとだな、あいつは体が弱くて、なかなか家から出られないんだよ。
お前達の先生という仕事もあるし、自警団やその他の仕事もあるからな。私から出向く事もなかなか出来ない。
だから、都合が合うかあいつの体調が良い時、もしくはあいつの仕事の時でもないと会えないのさ。
っと、仕事と言ってもあいつの事を知らないと、何のことだか分からないか。だが、間接的にならお前達もあいつに何度か助けられた事があるんだぞ?
あいつ……一野 太助(いちや たすけ)は、『件(くだん)』という妖怪なんだ。件について知っている奴は居るか?
ふむ、やはり居ないか。まぁ、仕方のない事だがな。何せ、仕事で以前表に出て来たのは20年程前。お前達が生まれる約10年前の話だからな。
ここ数年は調子が今一つらしくて、ブン屋に手伝ってもらっているらしいが……
おっと、少し話が逸れたな。そう、あいつの仕事についてだが、それはあいつの能力と密接に関係しているんだ。いや、もはや満月の時の私のように能力と仕事が直結している。
あいつの能力は、『未来を予知し、事件を知らせる程度の能力』という。
お前達は、ここ数年で起こった異変の3ヶ月前に配られた号外の新聞の内容を覚えているか?
……やはりな。いやいや、別に悪いとは言わない。子供なら読んでいなくてもおかしくは無いからな。しかし、少しは読むようにすること。
それぞれの異変の数ヶ月前に配られた新聞には、数ヶ月後にどんな異変が起こるかが書かれていたんだ。
それは本来ならばあいつの仕事なのだが、さっきも言った通りあいつは体が弱い。事件について知らせる事が存在意義である、あいつ自身がまともに動けないからな、代わりにブン屋に頼んで知らせていた訳だ。
今後は、たまには新聞も読んでみてくれ。あいつが知らせたい大事な事が書かれているかも知れないからな。
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