4821人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
そんなことを考えながらリュックから教科書やノートを出していると爽ちゃんがさらに質問した。
「で、要は?付き合ってる人いる?」
「俺!?いないよ~」
「そっかあ。じゃあ好きな人は?」
「それも……いない、かな。あはは……」
なんだろうね、この虚しさは。いないからいないって言うのは当たり前だし、ウソついても仕方ないんだけどさ……。
なんか虚しい!
「じゃあどんな人がタイプなの?」
「中身をちゃんと見てくれる人!」
俺はそこだけキッパリと答えた。
かわいいから好きになったとか全然嬉しくないし、やっぱ性格で選んでほしいよね、俺としては。
「爽ちゃんは?彼女出来た?」
自分ばかり聞かれることがなんだか気恥ずかしくて、俺は爽ちゃんにも同じように聞き返した。
「ううん。出来てないよ」
そっかあ……爽ちゃんほどの見た目でも彼女出来ないとかあるんだな。モテないわけじゃないのに……もしや理想が高いのか!?
「じゃあ好きな人は?」
「いるよ」
「え!?」
あまりにもあっさりとそう言われ、俺は目を丸くして驚いた。
「そそそそそうなの!?え!?ウソ!誰!なに!?どこの人!?同じ学校!?」
落ち着け自分……。
「そうだね。同じ学校」
取り乱す俺と違って、いたって冷静な爽ちゃん。
最初のコメントを投稿しよう!