「好きなんだけど」

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コンタクトを外したら目の痛みは少し良くなったけど、代わりに視界が一気にぼやけてしまった。 俺は昔から目が悪くて、中学生になってからずっとコンタクトだ。歳を重ねていくたびに視力が落ちてるのは気のせいだろうか……って、俺まだ17なんですけど! 自分でノリつっこみしてしまった……。 「……トイレ借りるねー」 「どうぞ」 子どもみたいに目をゴシゴシとこすりながら1階のトイレに向かう。 「はー!スッキリ☆」 ゲームの途中で行くのがイヤでずっとガマンしてたからなー。 やっとトイレに行けた解放感から思わず声がもれた。 用を済ませ、手を洗うために洗面所へ。蛇口をひねり、手をつっこんだ瞬間……。 「ブッ!!!!つめてっ!!」 水の勢いが強すぎたのか、思いっきりシャツに水がぶっかかった。 最悪……どんくさいにも程がある。 すぐ乾くかな……いや、でもこの若干しめった気持ち悪い感じでしばらく過ごすのはイヤだ。 俺は着ていたロンTを脱ぎ、上半身裸になった。 煌輝になんか服借りよーっと。 「煌輝ー……」 「あ……お、前、なんで裸なんだよ……」 部屋に入ってきた俺を見て煌輝がギョッとした顔で俺を見た。 あはは、そうですよね。そりゃそういう顔もするよね。
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