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「……なに言ってんの」
ありえない現実に、あまりにもワケがわからなすぎて、俺の頭は逆に異様なくらい冷静になった。
煌輝は俺のことをずっと好きだった。
なに言ってんの。
ふざけてんの?冗談?
むしろそうであってほしい。
だけど、
煌輝の顔はふざけてなんかなくて、それどころか、ものすごく真剣なものだった。
「俺はずっと隠してたんだ。お前に好きだって気づかれないように」
ずっとって……なんだよソレ、いつからだよ。
「お前は俺に恋愛感情を持ってない。だから、お前がしていることは全部無意識で、幼なじみの俺に甘えてるだけって言い聞かせてガマンしてきた。だけど、さすがにもうムリ、限界。そういうことされると……自分にブレーキかけるのすげー大変なんだけど」
そういうこと……?
俺は今まで自分が煌輝にしてきたことを思い返し、そしてハッとした。
もし、自分の好きな奴が、起こしてと甘えてきたあげく、寄りかかってくっついてきたら……。
好きな奴が自分のベッドで無防備に寝転がっていたら……。
挙句、冗談とは言え「一緒に寝る?」と上半身裸で誘ってきたら……。
はっきし言って、男にとってこれ以上の生き地獄はない。
呆然とする俺を、煌輝はまっすぐ見下ろした。
そして、俺に追い討ちをかけるようにつぶやいた。
「俺はもう、お前と今の関係を、幼なじみとしての関係を続けていく自信がないんだ。だから……もうやめたい」
や、め、たい?
え?
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