好きの理由

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俺の幼なじみ……。 改め、 俺の恋人は……。 「キャー!七瀬くんだー!」 「王子~♪おはよう!」 「……はよ」 王子様、です……。 煌輝と付き合い始めて早数週間。 俺たちの関係は、幼なじみ以上になったワケだけど……正直、俺としては全く実感がわいていない。 煌輝が俺を好きだと言って、キスをして、だけど、基本は今までと変わらない生活で……なんつーか、付き合うって、どういうことなんだろうね……。 今まで付き合ってきたこともあったけど、それは女の子だったからな……。 男と、しかも今まで幼なじみとして接してきた奴と付き合うって……一体なにをどう始めたらいいんだろう。 おまけに俺、煌輝のことそういう対象としてまだ見れてないし……。 学校に着くなりいつものように女子に騒がれる煌輝の後ろ姿を見ながら、俺はため息をついた。 「……あれ?煌輝……」 「あ?」 「靴箱、鍵閉めるようにしたんだ」 キーケースの中から小さい鍵を持って靴箱を開ける煌輝。 元々靴箱には鍵がついているのだけれど、みんなめんどくさがって施錠しない。 煌輝もつい最近までそのひとりだったのだけれど……。
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