絶望の果てに

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身長は180センチ程で、俺より高い。 髪の毛は茶髪で、皮ジャンを着ている。 その男はしばらく姉ちゃんの墓を見つめていたが、俺達の存在に気付くと、目も合わさずにこの場を去って行った。 「誰だろあれ?」 俺が素朴な疑問をすると母さんは 「さぁ?美穂の友達かしら?」 姉ちゃんに男友達? そんなの見た事も聞いた事もない。 姉ちゃんはいつも彩菜と一緒にいた。 男の友人で墓参りに来る程の人間なんて考えられない。 でも今の男の人……横顔しか見ていないけど、どこか寂しそうだった。 やっぱ姉ちゃんのツレなのかな? ただそれにしては少しいかつい雰囲気の人だったけど……。 「さあ広樹!お墓に水をあげて。」 あぁそうだな。 姉ちゃんに水をやらなきゃな……。
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