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「うるさいわね・・・・・・誰かしら!」
美幸は鳴り続ける電話に気が立っているのか、口調はかなり荒れている。
普段は怒ったりしない美幸が怒ってる?
私にムカついてんの?
逆ギレって事?
「ふざけないで!怒ってるのは私の方よ!何であんたが怒るのよ!」
すると美幸は凍えるような冷たい視線を私に向けて
「本当にそんなに怒れるなら私を殺してみる?聖の事が本当に好きだったら取り返してみる?」
何を言い出すのよ?
「最初からそのつもりよ!」
美幸はその私の言動を聞いても余裕で笑っている。
すると今度は美幸の携帯のメール音が鳴った。
「誰かしら本当に・・・・・・」
そう言いながら美幸は私から視線を外す事なく携帯を取り出した。
私に注意を払いながらも携帯のメールを確認している。
一瞬だけど視線は私から外れる。
それでも反撃が出来る程の隙は全くない。
逃げる事なら簡単に出来そうだが、警棒を突きつけている美幸に向かって行くのは困難だ。
「え?は?何?どういう事!!?」
メールを見ていた美幸が突然焦りだした。
これはチャンスだ!
私はメールによって取り乱している美幸に向かって体ごとアタックした。
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