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拓海は表情を変えずに
「じゃあ場所を変えようか。」
乗ってきた。
本当に私を殺す気なのか?
そして戸惑っている奈緒を置き去りに私と拓海はゆっくり公園の出口に向かって歩き出す。
公園から家までは人気があまりない。
危険だけど、足なら自身がある。
拓海を上手くまいて、奈緒にすぐに帰るように電話をしたらいいだけの事だ。
奈央が狙われるかどうかは分からないけど、念には念を入れておいて損はない。
チャラララララー
はっとした。
公園に突然奈緒の携帯が鳴り響いた。
・・・・・・こんな時間に着信?
奈緒はゆっくり電話を見るとそのまま出た。
「もしもし・・・・・・」
奈緒とは少し距離を置いてしまった為に何を話しているかまでは分からない。
でも相手なら容易に想像がつく。
翔司に間違いない。
奈緒・・・・・・お願いだから変な事言わないで!
何かを話し終えるのを拓海は止まって待っている。
奈緒・・・・・・
そして奈緒は電話が終わるなりこっちに近づいてきて、
「拓海、まだ美幸との話は終わってない。今日のところは帰ってくれない?」
この奈緒のセリフで確信した。
翔司が奈緒に拓海の事を伝えたという事だ。
「ほら美幸!行くわよ!」
そう言って私をさっきいた所まで引っ張っていく。
ダメだよ。
そんなに狭い訳じゃないけど、二人で逃げられる程公園は広くはない。
必ずとっちかは捕まっちゃう。
どっちかは?
・・・・・・そっかそう言う事?
私を犠牲に逃げるって事?
まぁそれならそれで仕方ないけどね。
それだけの事を私はしてきたし、それに奈緒が犠牲になるよりはいい。
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