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それに私はどこか死んでもいいと思っている。
翔司の言う事が本当なら聖はもうこの世にはいない。
それを考えると生きているのが辛くなる。
決して殺されたい訳でも心底死にたい訳でもない。
それでも生きる事を強くは望んでいないのも正直ある。
奈緒は私の手を引っ張りながら
「美幸!空気で分かってると思うけど、翔司からの電話よ今の!」
それは当然分かっている。
「翔司が大吉と広樹とここに迎えに来てくれるって言ってた。」
広樹・・・・・・。
「あんたの事をまだ許した訳じゃないけど、ここはお互いの為に協力しましょ!」
そう言って私を囮にするつもりなのだろうか?
「15分くらいで翔司達は来てくれる。だからそれまで粘るのよ!この公園で!」
「粘る?どうやって?」
チラっと拓海のいる方を見るとゆっくりだが拓海は私達の方へと向かって来る。
「戦うのよ!」
奈緒がとっさに言った言葉に私はビックリした、
「戦う?拓海と?無理に決まってるでしょ!」
拓海の喧嘩の強さを奈緒は知らない訳じゃない。
それに聖の事を一直線に思っていた部分はあるが、奈緒は頭は悪くない。
どちらかと言えば回る方だ。
そんな奈緒が戦うと選択するのには訳がある筈。
何の勝算もなしに拓海と戦える訳がない。
やっぱり私を・・・・・・
!!!
その時私は奈緒の意図に気が付いた。
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