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奈緒はスタンガンを構えたまま拓海を迎え撃とうとしている。
でも絶対によけられる。
奈緒も運動神経はいいけど、喧嘩の場数を踏んでいる拓海には対抗出来る訳がない。
私も同時に奈緒に向かって駆け出した。
奈緒は案の定、力任せにスタンガンを拓海に振りかざすが、簡単によけられてしまった。
そして拓海はそのまま奈緒の顔を右手で殴りつけた。
奈緒はその勢いで吹き飛ばされたが、同時に私は警棒を振りかざし、その拓海の頭に叩きつけた。
ガン!!
手にしびれが走るほどの力で殴った。
でも拓海はこれだけじゃ絶対に倒れない。
私は手を緩めずにすぐに次の攻撃をしようとするが、拓海がとっさに警棒を持つ私の腕を掴んだ。
「やっぱりな!そう来るとおもったぜ!」
拓海は頭から流血しているのにもかかわらず、それに全く動じるどころか、私の腕を全力で握りつぶそうとしてくる。
私は握力に負け警棒を手から落としてしまう。
「さぁ本気で殺してやるよ!」
そして私も奈緒同様に殴りつけられ、地面に倒れた。
「ほら!どうした立てよ!俺と殺りあうつもりじゃなかったのかよ?」
倒れている私を拓海は容赦なく踏みつける。
痛い・・・・・。
こんな風に男に殴られたことは一度もない。
でも耐えられる。
今までの痛みに比べたら・・・・・・
聖の痛みに比べたらこんなの
こんな時間稼ぎぐらいどうにでも頑張れる。
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