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手足がガクガク言っている。
何だかんだ言っても無理をしていたんだろう。
でもそうまでして私を助けてくれた。
逃げようと思えば逃げれた筈。
なのに、間一髪の所で助けてくれた。
最初から囮にするつもりなんてなかったんだ。
「何で?何で私を助けたの?」
「・・・・・・さぁ、ここであんたに死なれても何だか私の負けな気がしたから・・・・・・ていうかさすがに目の前で人が殺されそうになってたら誰だって助けるって!」
嘘だ!
自分も危険な目にあってるのにも関わらず、誰だって助けようと思わない。
奈緒は私だから助けてくれたんだ。
あんな酷い事してきたのに・・・・・・。
急に涙が出てきた。
「奈緒・・・・・・ごめん・・・・・・ありがとう。」
その私の涙を見ながら奈緒も涙を流した。
「謝る気はないんじゃなかったの?そこはお礼だけにしてくれない?私まで調子狂っちゃうじゃない!」
そう言いながら二人共大泣きした。
少しして奈緒の携帯に着信が入った。
相手は当然翔司だ。
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