10人目

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「あ!・・・・・・オッキーお兄ちゃんは?」 ちょっと聞きづらい事だったけど、このまま放置しておく訳にはいかない。 「由奈を真央さんの車に預けたらすぐに俺が連れてくる。まだ和哉には聞きたい事もあるしな!」 聞きたい事って? でもとりあえず私は急いで靴を履いた。 その時 「おい、出て行くのは構わないが・・・・・・お前は知ってるのか?」 急にお父さんが座ったまま私達に声をかけてきた。 「由奈、とりあえず出よう!」 「由奈はな、生まれつきの病気があるんだ。」 お父さん? 駄目! それを今言わないで! 「由奈はどうやっても長くは生きる事が出来ないんだよ!」 「お父さん!!!」 私は大きく怒鳴ったけどお父さんは続けた。 「お前がどれほど由奈を想ってるのか知らないが、由奈は絶対に幸せにはなれないんだよ!それでも一緒に出て行く気か?」 何でこのタイミングで言うの? 自分で言おうと思ってたのに! でもオッキーは 「一秒でも長くいられるならそれでいい!」 とキッパリお父さんに言い放った。 少しも動揺をしていない。 もしかして知ってた? 動揺する私をオッキーは外に出し、そのまま真央の車に預けた。 車の中には怜美と真央がいる。 「真央さん!ちょっと待ってて下さい!すぐに和哉を連れてきます。」 オッキーはそう言って家に戻って行った。
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