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俺も含めて一斉に真央さんを見る。
「携帯なんか持っていたら、すぐに追跡されちゃう可能性があるでしょ?私が預かっておく。」
追跡?誰に?
「あんた達は今錯乱状態にある。それに加えて殺人鬼に追われて、警察にも追われてる。だから一旦逃げなさい。」
翔司が口を開いた。
「逃げるってどこに?」
真央さんは翔司の車のナビをセットしだした。
「ここはね、山奥の小屋があるの。昔友達と近くでキャンプした時に見つけたの。ここなら警察もすぐには見つけられない。」
真央さんはナビをセットし終わると俺達の携帯の回収を始めた。
「翔司君の車なら6人乗れるでしょ?すぐに逃げなさい!」
俺は真央さんに口を挟んだ。
「6人って?ここには7人いるけど……。」
すると真央さんは小さな笑顔をつくり
「私以外の6人に決まってるでしょ?私なら大丈夫。くぐり抜けてきた修羅場の数が違うから。」
真央さん……。
由奈がこれに異を唱える。
「真央、でも危険だよ。一人でいたら危ないよ。真央ももう狙われてるかもしれないんだよ?」
「私の心配より自分達の心配をしなさい。もう元の生活にはみんな戻れないのよ。だから少しでも一緒にいなさい!」
何より重い真央さんのセリフだった。
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