10人目

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俺も含めて一斉に真央さんを見る。 「携帯なんか持っていたら、すぐに追跡されちゃう可能性があるでしょ?私が預かっておく。」 追跡?誰に? 「あんた達は今錯乱状態にある。それに加えて殺人鬼に追われて、警察にも追われてる。だから一旦逃げなさい。」 翔司が口を開いた。 「逃げるってどこに?」 真央さんは翔司の車のナビをセットしだした。 「ここはね、山奥の小屋があるの。昔友達と近くでキャンプした時に見つけたの。ここなら警察もすぐには見つけられない。」 真央さんはナビをセットし終わると俺達の携帯の回収を始めた。 「翔司君の車なら6人乗れるでしょ?すぐに逃げなさい!」 俺は真央さんに口を挟んだ。 「6人って?ここには7人いるけど……。」 すると真央さんは小さな笑顔をつくり 「私以外の6人に決まってるでしょ?私なら大丈夫。くぐり抜けてきた修羅場の数が違うから。」 真央さん……。 由奈がこれに異を唱える。 「真央、でも危険だよ。一人でいたら危ないよ。真央ももう狙われてるかもしれないんだよ?」 「私の心配より自分達の心配をしなさい。もう元の生活にはみんな戻れないのよ。だから少しでも一緒にいなさい!」 何より重い真央さんのセリフだった。
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