逃亡者と追跡者

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--------愛川広樹 今日で逃亡生活3日目だ。 俺達は今山奥の廃校にいる。 ここなら雨風も凌げるし、簡単に見つかる事はない。 真央さんと別れを告げた俺達は当初真央さんの言っていた山の小屋に向かった。 途中で食料を買い込み、車をだいぶ出前で置いていき、そのまま入山した。 だけど途中で翔司が言い出した。 念の為に場所を変えようと。 翔司の用心深さは真央さんにも向けられた。 最初は俺も由奈もこれには反抗したが、翔司に言いくるめられてしまった。 確かに翔司の用心深さがなかったら俺達は聖にも拓海にも殺されていたかもしれない。 それを思うと翔司の指示に従うしかなかった。 何より、翔司だけは警察に追われてる訳でもないし、殺害現場にいた訳でもない。 俺達を逃がす為だけに罪を負っているんだ。 そんな翔司に強く口答え出来る筈もない。 そして俺達は小屋を超えて更に山奥に入って行き、廃校を見つけたんだ。
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