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そして今日はみんな各々仕事をしていた。
由奈と奈緒は料理の準備。
大吉と俺は力仕事。
翔司と怜美は校内の把握。
基本は真顔で過ごしている俺達だが、たまに笑顔をこぼす様になっていた。
たった三日で忘れる事など出来ないほどの体験。
親友や親や彼氏が殺された。
それぞれ思うところはあるだろうが、それでも前を向いて生きてかなきゃならないんだ。
いずれ来るこの生活の終わり。
それを気にしないように出来るだけみんなで、今出来る事をしていた。
ただ怜美だけは違った。
怜美は少なからず殺人を犯している。
俺達みたいに被害者ばかりではない。
俺達も完全な被害者かどうかは分からないが、それでも怜美が抱えている心境とはまた別物だ。
そんな怜美を気にしてか由奈もまた怜美の事を心配そうに見ている節があった。
そして三日目の夜。
俺達は電気もなく、途中の山小屋で仕入れたランプの明かりを囲んで教室の床で夕食を食べた。
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