傍に居たい

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 友也を抱き締める仁はとても優しい顔をしていて面倒とかかったるいとかそんな風には見えず何だか自分を無視されているような気がして胸の奥がズキンッと痛む。 調子が悪いんだと分かっていてもそれでもズキズキと痛みだし泣きそうになってしまい自分はこんなにも弱かったんだろうかと思う。 立ち尽くしている玲志に仁は隣に座れというように軽く地面を叩き優しい眼差しで見上げてくる。 玲志は戸惑いつつも静かに仁の隣に腰を下ろす。 それだけで不思議とホッとした。 「もう少し待っててな。」 「…うん。」 短い二人の会話を聞き友也は不安に押し寄せられる。 「……何処か行くの?」 「ん?ご飯食べに行こうかと思ってな。……友也も行くか?」 その台詞に仁以外が複雑そうな表情を見せた。  友也も玲志も独占欲が強いのか何ともいえない顔でお互いの顔を見る。 「……俺、いい。帰って課題やらないと終わらない。」 「そうか……それは残念だ。じゃぁまた今度、行こう?」 “また今度”という言葉が何だか嬉しくて友也は頬を染めると小さく微笑み頷いた。
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