傍に居たい

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「……それとはまた違う話だけどさ……生まれる前は、羽があったって知ってる……?」 「………本当?」 首を横に振り見上げてくる玲志の目がキラキラとしていて子供みたいに澄んでいた。 仁は「嘘か本当か知らないけど……」と言いながら腕を伸ばし玲志の肩甲骨辺りを軽く指でなぞるように撫でる。 「これって……羽があった名残何だって…。」 「………ッ。」 そっと骨のラインをなぞられ腰から首筋にかけてゾクゾクとした甘い痺れが走り玲志は思わず肩を縮こませる。 耳まで赤く染め小さくなる玲志に仁は思わず手を離す。 「ぁ……悪ぃ…。」 「…………。」 今にも泣きそうな顔で首を横に振る玲志に悪い事したかなとちょっと困った顔を見せる。 そっと髪を撫でればおずおずと見上げてくる玲志の目が潤んでいて仁は一瞬、息を飲む。 「ねぇ……仁は………羽があったって…信じてる?」 「………信じてるよ……?」 玲志は?と優しく微笑み問い掛けてくる仁の目に玲志も小さく頷く。 「うん……俺も信じる。」 玲志は仁の背中に腕を回し同じように恐る恐る肩甲骨のラインをなぞる。
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