傍に居たい

16/30
前へ
/466ページ
次へ
 友也はドアを閉めると鍵を掛けその場に蹲る。 グルグルと色んなものが頭の中を駆け巡り苦しくて涙が溢れてくる。  いつから一緒に居たんだろう……。  何処に行くのかな……。  今頃、二人で何してるんだろう……。  次から次へと出てくる思いは止める事が出来ず友也の目から涙が零れ落ちる。 一緒に居る処をみるのが辛くて仁を取られてしまったみたいで淋しくて悲しくて友也の心臓は押し潰されそうだった。 誰にでも優しいから自分だけが特別扱いされているわけではないと頭で分かっていても誰かを思って掛けるその言葉にでさえ胸が苦しくなる。 「リーダー……隣に居たいよ………傍に居てよ…………リーダぁー……。」 前みたいに素直に甘える事が出来ず友也は膝を抱え泣きじゃくる。 自分が誰かを想っていると他人が誰かを想っているのが痛いほどよく見て分かる。 友也は玲志が仁を想っている事に気付いていた。 その性で今まで出来ていた事がやりにくくなり仁が傍にいても何だか引っ込みがちになってしまいつい避けてしまう。 本当はずっと傍にいたいのに……。
/466ページ

最初のコメントを投稿しよう!

624人が本棚に入れています
本棚に追加