傍に居たい

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 しばらくしてからさっきのおいちゃんが中から顔を出す。 二つのラーメンと一緒に餃子が運ばれテーブルに並べられる。 「いつも贔屓してもらっちゃってるからコレ、サービスのサービス。」 「でも内緒な」と口の前で指を一本立て微笑む。 仁は「ありがとうございます」と嬉しそうに返すから玲志もつられて頭を下げるがおいちゃんの言ったサービスのサービスという意味が分からず気になって仁の方を見る。 視線に気付いた仁はジッと見てくる玲志に同じ様に気になっていたのか小声でおいちゃんに話かける。 「おいちゃん、サービスのサービスって何?」 「それは、餃子のサービス、プラス一つおまけのサービスだ。仲良ぅ食べ。」 そう言われ餃子の乗っているお皿に目を落とせば普通は五つなのに六つ乗っていた。「ゆっくりしていってね」とおいちゃんは厨房の方へ戻っていく。 仁と玲志は顔を見合わせよかったなと小さく笑い合う。  何故か遠慮気味食べ始めるのを見つめ仁は玲志が燕下するのを待った。 完璧に燕下したのを確認し「どう?」と恐る恐る聞けば「すげぇ美味しい」と無邪気な笑顔が返ってきて仁も嬉しそうに笑う。
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