傍に居たい

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「よしッ出来た。」 声を弾ませ座り直す仁は嬉しそうな顔をしていた。 「仁……恥ずかしいんだけど………?」 「大丈夫、似合ってるぜ。」 そう言ってグッジョブと親指を立て胸の前で軽く右に回す仁に玲志は困ったように笑う。 ほんの少しの事でも嬉しくて泣きそうになる。 何かをしてくれるのが嬉しくて照れ臭くて胸が詰まって苦しくなる。 それと同時に自分の中で強い独占欲が生まれる。   誰にも渡したくない。 一挙一動に心が振り回されドキドキと高鳴る鼓動はスピードを増し眩暈すら覚える。 一緒に居るだけでこんなにも胸が押し潰されそうな程に幸せと感じる。 笑顔を見るだけで鼓動が頭にガンガン響いてきっと恥ずかしい位、顔が赤くなっているんだろう。 時折、見せる屈託ない笑顔がどれほど心臓を鷲掴みにしているか、なんて本人は知らない。  玲志はちょん髷のように束ねられた髪を触り小さく微笑む。  仁が結んでくれた髪。 それだけで玲志の胸は甘く疼く。 仁と一緒に居るだけでドキドキしてラーメンの味などもとより分からずただひたすら食べるだけだった。
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