傍に居たい

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「おはよー、リーダー。」 「おぅ。」 友也は教室に入ってくるなり仁に飛び付く。 甘えるように首に腕を回し擦り寄ってくる友也の頭をそっと優しく叩く。 大きくて暖かい手は優しくて無意識に回している腕に力が籠もる。 「バカッ……首絞めんなっ………苦しいっ…。」 「ご、ごめん……。」 しょんぼりしておずおずと腕を緩め離れる友也に仁は小さく溜め息をつく。 「……それより、調子は平気なのか?」 「うん、大丈夫……。ねぇリーダー…俺が心配?」 「お前はまたそういう事を……心配に決まってんだろぅが……。」 それを聞いて友也は嬉しそうにヘヘっと笑い首に腕を絡めたまま隣に腰を下ろす。 仁の横に座りその横顔に違和感を覚える。 「……リーダー…………眼鏡は?」 「忘れた…。」  教室を覗き仁が居るのを見付け玲志は入ろうとしたが隣に友也がいるのが目に入り踏み出そうとした足が思わず止まってしまう。 「………。」 玲志は踵を返し自分の教室へ急いで戻る。 仁の隣で笑顔を見せる友也は無邪気な顔で笑っていた。
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