傍に居たい

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 まったく起きる気配のない仁は完璧に爆睡しているようで何をしても起きなさそうだった。 玲志は地面に腰を下ろし仁が起きるのを待った。 時々、寝顔を覗いてみれば気持ち良さそうに寝ている仁に小さく微笑み再び腰を下ろす。 玲志は何気なく空を見上げる。太陽が沈みかけ空は赤みをまし見ていると何だか少し切なくなる。 それでも好きな人を背に見上げる夕暮れは綺麗で綺麗で玲志は小さく微笑む。 一緒に見られたらもっと綺麗なんだろうなと我儘な事を考えながら振り返ればいつの間にか起きていたユキが手を伸ばし仁に戯れつこうとしていたから玲志は慌てて立ち上がりユキを抱えあげる。 「ダメだよ……ユキ。」 玲志の腕の中でユキは淋しそうにニャーニャーと鳴きまるで仁に「かまって」と言っているようだった。 そんなユキの鳴き声に仁は「ん~…?」とぼんやりと目を覚ます。 「…ユキ……?」 仁の声に玲志はドキッとする。 寝起きの仁の声は擦れていて色っぽく玲志の鼓動が早くなる。 「……仁?」 「ん?ん~……アレ、玲志…?……おはよう。」 冗談なのか寝呆けているのか仁は起き上がりそう言って微笑む。
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