傍に居たい

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 玲志は仁の膝の上で再び居眠りを始めたユキの頭をそっと撫でる。 自分が想っている事をちゃんと伝えたいけど真っすぐ仁の顔を見て言う勇気はなく恥ずかしくて視線はユキから外さずにボソリと零す。 「……仁の………傍に居たかったから……。」 「…………。」 俯き耳まで真っ赤にしている玲志に仁は困ったように微笑み腕を伸ばしそっと髪を梳けば玲志はおずおずと見上げてくる。 叱られた子供みたいな顔をして目を潤ませていて今にも涙が零れ落ちそうだった。そんな顔で見つめられると何だかイジメているような気分になってくる。 仁はそのまま手を下ろすと指でそっと溜まった涙を掬いあげる。 「んな顔するな……俺がいじめてるみたいだろぅ。」 頬に触れる仁の手が暖かくて見下ろしてくる目が優しくてからかう言い方なのにどうしようもない位、仁の優しさが伝わってくる。 低くてよく通る仁の声は耳に心地よく思わず聞き入ってしまいそうになる。 「泣くな…頼むから……。」 「な?」と微笑んでくる仁に玲志は頬を染め小さく頷く。
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