徳→福←(?)井

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―ガチャ― 外に出て自販機までの道のりを歩行していく。 角を曲がった所で視界を捉えたのは自販機とその向かいのベンチに座る井上の姿だった。 どうやら一服していたらしい。 片手にある煙草が全てを語っている。 「どないしたんこんなとこで」 「…おう…徳井やん…」 目を見開いてこちらに振り向く井上の反応は明らかに驚いているそれだった。 「俺はなぁ二日酔いの福ちゃんに水買ってったろおもて。あいつ、頭痛い言うて楽屋入って来たからもうちょい反省しろ!言うてな」 ―ガチャコン― ペットボトルの水が丁度あったのでボタンを押して落ちてきたそれを前屈して取り上げる。 「ほんま、こんな、なぁ?親切な相方おらへんやろ?俺めっちゃ優しない?」 水を片手に笑いながら振り向くと井上が俯いて目元に影を落としていた。 瞬きを一二回繰り返し井上の元へ歩み寄り隣に腰掛ける。 首を捻り様子がおかしい井上の顔を覗き込もうとした瞬間突如勢いよく立ち上がられ動揺する。 「俺な、徳井」 「…え、あ、ん?」 井上は天を仰いで遠い目でそこを見ていた。 「福ちゃんとやった」 「………は?」 水を両手で包み込みながら耳に入ってきた井上の言葉が理解できずに再び問い掛ける。 「やからさ、俺」 福ちゃんと寝たんや。
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