上蟻

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ある日突然 あいつが 眼鏡を掛けていた 気分転換か 何かか よく分からないが 別に問うくらいの 興味はないので 放っておいた そうしたら、 一分もしないうちに ちらちらこっちを 見てくるあいつ きっと眼鏡の ことを聞いて欲しい んだろうと察するも なんかここで聞いたら 負けた気がするので スルー。 「上田ぁ、なんで聞いてくれないのぉ」 腕に絡み付いて来た。 鬱陶しい。 ねぇ、ねぇ、 女子みたいにキャッキャッしながら眼鏡を見せつけてくるもので結局イラッとして頭をはたいてやった。 「うるせぇ。どうせ伊達だろ。」 「そうだけどぉ」 「そうなのかよ」 「なんかさかわいくね?この眼鏡。ピンクの水玉模様だよ?」 「お前が掛けてもキモいだけだわ」 「…………」 なんだよ。 俯いて。 あー泣くとか勘弁なマジで。 顔覗き込んでみると、 やっぱりな。 めんどくせーヤツだな。 「おい」 「上田はそうやっていつもいつも俺のことちゃんと見てくれないんだ」 鼻水垂れてるぞ。 きたねぇな。 「上田より…山崎の方が優しい…」 ティッシュを取ろうと してやったが 山崎の名前が出てくると それを渡す気さえ失せた せっかく俺様が優しさを見せてやろうとした途端これだ もういい 勝手に泣いてろ 「山崎のが良いなら山崎と組めよ?俺は一人でも大丈」 ペチッー あ? 「…お前がそんなヤツだとは思わなかった。分かったよ。言う通り山崎のとこ行ってやるよ!」 立ち上がって 部屋から出て行く 後ろ姿に呆然 頬を殴ったか? さっき。 ちょっといてぇな。 本気じゃないのな。 でも、言い過ぎたかな。 後悔とか 似合わねぇなぁ。 「……っし。」 迎えに行くか。 おわり。 かっこいい上田を目指したつもりなのです。
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