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時々思うんや。
本能のままに、素直に生きれたらって。
言いたい事も言えやん自分の侭じゃ嫌やって。
せやったら、一回自分を出してみるんも有りやとおもわへん?
「徳井…」
「なんやどないしたん福田」
ドアが開いて室内に足を踏み入れて来たのは頭を押さえ付けた福田だった。
どないしたんやろうと椅子から立ち上がり歩み寄る。
「二日酔いかなぁ…めっちゃ頭痛いねん…」
だるそうに体を左右に揺らしながら危なっかしい歩き方で椅子にドカッと座り机に突っ伏す。
「また酒飲んだんかいな。あかんやろーもー」
一回入院してんのにまだ反省してへんの?と呆れ半分に注意しながら隣に腰掛ける。
延ばした手で福田の頭を撫でてやりながら顔を傾けて顔色を見る。
唇の色が紫に似た色になっているのを確認し眉を顰める。
「大丈夫…ちゃうやろな…」
「ちゃう………ぅえっ」
えずくのを一瞥し机に置いてあった自分の鞄からビニール袋を取り出しそれを開いてから福田の口許の近くに置いた。
「ちょお待っとり。水かなんか買ってきたるから」
な?となるべく優しく声を掛けながら背中を撫でると福田はこちらを向いてありがとうと小さく呟いた。
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