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「もう、良いよね?」
「へ…?」
今までテレビを見ていた設楽が突然隣に座る小林の方を見て何かに吹っ切れたような問いを笑い掛けながらしてきた
突然だったので当然小林の反応は薄く、たまたま大福を食べていたもので頬を膨らませモグモグ咀嚼しながら設楽の方を一瞥しきょとんとする
「抱いても良いよね?」
「…っふぐっ!?」
口から出る言葉に反して表情は爽やかで
小林は即座に口を押さえて飛び出そうになった大福をギリギリガードする
「だってさもう付き合って2年だよ。」
「………う゛…」
短気な学生だったら二日付き合ってもうやってるよ?
業とらしく呆れたように溜め息を吐いて口を押さえる手に手を重ねる
剥されて口内から出てきそうな大福をもう片方の手で無理矢理詰め込めばぱんぱんになったハムスターのような頬を見て苦笑を浮かべる設楽
「出せよ」
「………むうぅっ」
「出せって」
目の前に手の平を差し出し大福を吐き出せと促す
小林は首を振り拒否するので顔を歪ませ、ムッとなりながら膨らむ両頬を掴み自分側に顔を向けさせる
「ふうぅ!!」
「あ…おい!」
首を思いきり振りするりと手から頬が抜けると勢い余って後ろに倒れ込む小林
下はベッドなので無事なのは分かっていたがここで設楽の脳内にピコンとライトが立ち辺りを照り付けた。
口端をつりあげにたにた笑いチャンスとでも言うように書いて字の如く飛び込み小林に覆い被さる設楽
唸り声を上げるその大福が詰まった口元を手の平で押さえ込み目を細める
「出さねぇなら、このまま抱いてやるかんな?
声出したくても出せねぇぞ?」
「う゛…ぐぅっ…!?」
両手首を縫い付けて首筋に唇を近付けるも耳の近くでごくんっと嫌な音がして目を見開く
慌てて顔を上げては紫色と化した小林の顔がありぉぃ、と呟いた後
肩を抱き寄せ吐ける体勢にしてから思いっきり背中を叩く。
「馬鹿やろっ…くそっ…!飲み込むやつがあるかよ!」
数分して無事に大福を吐き出した小林は半目の状態で設楽を見て泣きながらこう言った。
「したぁさんに…吐くとこ見られたぁ…っ」
おわり。
汚くてすみません
中途半端やぁね
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