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「由衣、真美さん。行こう。こいつらの狙いが分かった」
志保は、立ち上がりながら言った。
「こんな話をして由衣や真美さんの首の痣に変化が起きるかを試したかったんだよ。
首くくりの呪いと今の現象を結び付ける鍵が欲しいから」
踵を返して教室のドアへ向かう。
「十分な情報提供をしているわ。私達にも貴女達にも必要なのは情報でしょ?」
志保は、神月さんの言葉を意に介さずにドアを開けようとする。
すると彼女の前のドアが独りでに開いた。
廊下に立っていたのは1人の少年。
黒の短髪に小麦色の肌をした制服姿の男子は笹原竜(ささはら りゅう)君。
私達と同じ2年1組のクラスメイト……だけど笹原君は今日休んでいたはず。
不自然なのは、彼の右手に握られた白いロープだった。
……ギィ。
Chapter.3 End
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