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惑星アレスの一等地ホテルは、このアリサ・ビックが生まれる遥か前から続く紛争状態において、政府にも反政にも属しない、数少ない中立地区だ。
最も、一等地とはいっても長らく銃と死体の腐臭と麻薬と売春にまみれたこの星には、外に開けた観光資源なんてない。たまにヤクや武器の売人が部屋を借りる程度で、ホテルとしての機能は先進文明圏の人たちにはきっとご満足頂けないだろう。
あたいはそこで、ウェイトレス兼雑用係を務めている。アリサなんて名前はこの星にはゴマンとある名前だが、本当の名前なんて知らないし、今も名前がないやつらよりはまあましなほうか。
今日も、ムチムチした巨乳のお客様が、シャワーの出が悪いとか、停電が多いと愚痴をぶつけてくる。先進文明からすればそうなのだろうか?外の世界には、興味もないし、今の仕事に不満があるわけでもない。こんなクズの塊のような星だが、大人達が時に子供にも銃を持たせて紛争していることはあたいが生まれる前から不変だったし、外の世界にも興味はない。
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