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お腹すいたな。
…あー、よし決めた。
朝食はパンで済ますことにしよう。
みんな知ってる?
パンを口にくわえて、走りながら曲がり角を曲がろうとすると、ものすごい美少女に出会えるんだぜ。
という話を聞いたことがあった。
そんな話に期待を寄せてパンをくわえちゃったりする僕ってなんだろ。
ここから学校までは登り坂の一本道で曲がり角なんて無いんだけど。
ーーー家を出る際に母親が起きてきた。
「あら、起きてたのね…。今日は早いの?」
起きたばかりで眠そうで、だるさが混じった声。
わざわざくわえたパンを手でつかみ、
「うん、今日は文化祭でね。早く行かないと成績がこれ以上下がらないところまできてるから」
なんて、ふざけながら返した。
「大丈夫よ。あなたに良い成績は望んでないの」
母は言葉を微笑混じりに続けていく。
「そうね。期待してない、といったところよね。」
……美少女どころじゃあなくなった。
たった一人の実の母親に期待されていなかったと知った今日、星座占いは何位だろうか。
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