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 そんな評価とは裏腹に、目の前のシュリンはその才覚を感じさせない。そわそわと体を動かし、集中できていないのが目に見えて分かる。思えば、向かい合って座ったときから様子がおかしかった。最近は四六時中リクラムと一緒にいるくせに、向かい合ったときには視線を泳がしていたし、手を繋ぐときも何やら動揺しているようだった。  ――わけが分かりませんね。  フィーナにはシュリンの挙動が理解できなかった。長年一人で生きてきたこともあって、他人の心情を読むということにはとことん疎い。或いは、分類的には人ではないから分からないのだろうか? 「ごめん! すこし休憩させて!」  静寂に包まれた部屋で、白い壁をぼうと眺めていると、リクラムの声が響いた。 「やっぱり疲れるよ、これ……。シュリンは僕の魔力、認知できた?」 「えっと……まだ無理かな。そもそも生物の体とか魔力を認知するのって、かなり難しいし。リクラムの場合は魔力の流れも他の人と違うから……」  そっかぁ、とリクラムは伸びをする。
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