104人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあ地道にいこうよ。これができれば連携の幅も広がるだろうし。ね、フィーナ」
「そうですね。シュリンさんが主様の魔力を認知できれば無敵です」
「無敵とは大きく出たね」
リクラムが笑った。
「そうでもありませんよ? 主様が私を使いこなして、シュリンさんとも完璧に連携をとれれば、どんな相手にも負けません」
「それは楽しみだ」
どうもリクラムは信じていないようだった。
しかしフィーナは本気だ。リクラムのシィーラ族としての力は相当なものだと思っているし、かつて見てきたシィーラ族と比べてもそう思う。
遠い記憶に引きこまれそうになってフィーナは頭を振った。昔のことを思い出すのはなんだか嫌だった。
「そんな日が来るのはまだまだ先でしょうけどね。というか、今さらですけど、なんで手にしか触れないんですか?」
「「え?」」
リクラムとシュリンの声が重なった。
「いや、だって認知するときは対象に近い方がいいんですよね? 感覚掴むまではもっと密着すればいいじゃないですか」
「み、密着って……」
なぜかうろたえるリクラムにフィーナは首を傾げる。シュリンなど顔を真っ赤に染めていた。
最初のコメントを投稿しよう!