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崖の下にあるゴツゴツとした岩々が波に打たれている光景は何とも言えない神秘さだろう。
しかし僕、坂上 光流・十七歳・高校二年生から見たら何も神秘的には見えない。
むしろ恐怖さえ覚える。
(あー、きっと痛いだろうなあ)
人間の屑でゴミな僕には楽な死に方さえ許されないのか。なんて無力なんだろう。こんな僕なんて死んだ方がマシなんだ。
世界に必要とされていない、要らない生物。
まあ今居るところが崖の上。下には鋭い岩。
なんとここは僕が住んでいる町で有名な自殺スポットらしい。
まさに僕にとってベストな場所だ。
さあ! さあ! 飛び込むぞ! 未来の地球のためにレッツ・ダイブ!
……とは言いつつも、かれこれ一時間はここで立っている。そろそろ飛び込もうかと考えているが中々勇気が出ない。
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