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「はやまるなぁぁぁぁぁ!!」
突然、甲高い女の子の叫び声が耳に轟いた。
「え……わ!?」
後ろを振り向いた瞬間、僕の足元を支えていた地面がまさに岩雪崩の如く、崩れ落ちた。
片方の足のバランスが崩れ、そのまま崖の下へと落ちていく。
「ちょっ! 待っ! まだ心の準備が全く整ってな──」
「早く! 掴まりなさい!」
女の子が崖の上から手を伸ばしてきた。僕はその手を本能的に掴んでしまった。
女の子の手は恐ろしいほど華奢で、そのまま一緒に落ちてしまいそうな……。
しかし、
「何ボケッとしてるのこのバカ! 上がってきなさい!」
全体重を支えるというのはドラマとかではよく見るけれど実際に見たのは初めてだ。
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