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初めて言われた。
イレズミをいれられた時は疑問に思ったが、家柄上、仕方ないものだと思っていた。
イレズミを偶然見られた時、親友は笑ってくれたが他人は一線引いた目で見られた。
イレズミを見た人は、綺麗なんて言葉を言ってくれなかった。
でもそんな事はどうでもいい。大事なのはその後だと信じていた。いざというとき信じれるのは己だけ。そう……信じていた。
イレズミを嫌いにも好きにも思った事は無かった。けど、この人と話してたら、何とも思わなかったイレズミに、想いが寄せてきた。
「すぅー、はぁぁ………」
「……利休さん」
「うん?どうしたんだい一君」
「どうなるか分かりませんが、よろしくお願いします」
俺もこの人と話してみて分かった。
俺はこの人を恨めないし、心の底から信じれる。それに裏切られたとしても、俺は笑って許せるだろう。
せっかくの好意を俺に向けてくれた利休さんに、俺は深々と頭を下げた。
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