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「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「………?」
「…………」
今更だが、こいつは本当に何を考えているか分からない。俺の目を見ていると思ったら視線が頭に向いたり、そしたら今度は手を見てくる。
「どうかしたのか?」
空気に耐えきれず、俺はこの変質者に声をかけた。すると俺の手を握ってにっこりと笑った。
「ありがとうございます♪」
「?……あ、あぁ」
「それじゃあ行きましょうか」
「おい、愛理はどうするんだ?」
「ふえ?……ああ!そうでした!」
島本美沙子 高校三年生
天然という性格がついに脳を犯すレベルまで達した瞬間である。
それから愛理を待つ間、バイクに乗ったせいで乱れた髪を直してもらったり、美沙子の天然発言を俺がツッコミを入れたりして時間を潰した。
「ハァッハァッ、ごめんお姉ちゃん待った?」
「いいえ、一君とお喋りしたから楽しかったですよ」
「はぁー、美沙子、愛理はそんな事聞きたい訳じゃないんだぞ?」
「あれ?そうなんですか?」
愛理が走って来たおかげで、やっと三人揃った。次はお買い物らしいが、今度は一体どんな事件が待ち受けているのやら。
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