天井から蹴りが飛ぶ

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ダクト清掃バイトをしていた頃の話。 本当は出勤予定ではなかった日。人数が定員にならないから出てくれないかと頼まれた。 その日の用事は午後五時半以降だったし、説明によると午後四時には終わるという事でOKし出勤。 会社の車で現場へGO! Y社のパン工場でダクト清掃を開始。 いつものペースで順調に仕事をこなしていたわけなんですが、問題が発生。 ダクト内のゴミを吸うための業務用の大型掃除機の調子が悪い。 仕方なくゴミ捨てたりホースの調整してみたりとしていたら、掃除機がいつまで経ってもこないと待ちきれなくなった先輩が天井裏から大声で呼ぶ。 脚立に昇って顔を見せたら問答無用で蹴りが飛んだ。 クリーンヒット! 脚立から転げ落ちる。 先輩、掃除機の調子に関して説明したとき、まるっきり聞いてなかったらしく、怒りが治まらない様子。 荒れる。とにかく終始イライラ。 ――ふざけんな! それはこっちの台詞だ。 親切心が仇になった。会社のこと考えて出勤したってのに。OKなんかするんじゃなかった。 ちなみに、その先輩、短気で人の話を聞かないことで有名で皆に嫌われていたりする。 もちろん、自分が悪かろうと謝ることはない。 器材の整備はちゃんとしようという教訓となった。
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