5人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
†
「お腹減った?」
家につくや否、レーガンは手にしたものを全て床に落としてしまった。
それもそのはずである。なにせ部屋の前の手摺りに、シスターの格好をした意味不明な少女が、文字通り干されていたのだから。
「い、いいえ……今はそれ程でも……」
しかし、そんな不可思議なことに対しても冷静に対応しようと努めるレーガン。そして、彼女の問いに真剣に答えたのだ。
「ほんと?」
ふと顔をあげた少女の綺麗な長い銀髪が、サラリと揺れる。しかしそのエメラルドの瞳は、獲物を狙う獣のようにギラギラと輝いていた。
「……、はい」
彼女の視線は、何やら彼の右腕に下げられたコンビニ袋に向いている。恐らく中身のつまみを狙っているのだろう。
それを察したレーガンは、今更ながら「今は空いてますと言うべきだっか」と後悔の念に捕われはじめた。
最初のコメントを投稿しよう!