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「いや、でもねお嬢ちゃん。 このおやつは叔父さんのだからあげられないよ?」
そこでまた、ベランダに干されている少女の顔をジッと見つめた。歳は大体十二くらいだろうか。ああ、パイパンだ。違う、《パイパン》のヒロインのあの少女だ、嫁だ。
「えー、ケチ」
今、目の前で視界に映るその膨れ面も、嫁そのものだ。服装がどこぞの小説に出てきそうなシスターファッションなだけで、容姿、性格、オーラ(?)の全てが、嫁そのものだった。
「まぁまぁ、そんなこと言わないで。 叔父さんの部屋に来るかい?」
何をとち狂ったのだろう。レーガンはそんなことをいきなり口走ったのだ。
「うん!」
しまった。そう思ったときには既に遅し。咄嗟に口を閉ざすレーガンに対し、満面の笑顔で返す少女。その答えに一度は戸惑うレーガンだったが、キチンと頭の中で整理を重ね、ようやくその全てを理解することが出来た。
今日は何と運のいい日だろうか。
競馬では負け擦られたけれども、少女を自宅に連れ込めた。彼にとって、それだけでも今日という一日が人生最高の一日に変わるのだ。
所謂、結果良ければ全て良し、という訳だ。
「童 貞 卒 業!」
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