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「実は、妹なんです」
いきなり重苦しい空気に入った。
電気が止められ、エアコンさえも効かない部屋の中で、正座で訳のわからぬ事を口にした少女。
この茹だる様な暑さに、少女は頭がいかれたのだろうか。
「まず、僕は独りっ子ならぬ、一人っ子です」
そうして、懇切丁寧に説明を始めるレーガン。
自分は、小学二年の頃から母子二人で育ってきた事。そんな母も五年前には亡くなり、兄弟などできることなく、その希望さえも無くなった事も。
そんな説明をつらつらとした後でレーガンは、ふと目の前の少女へと視線を向けていた。
「おい」
「はぇ?」
寝ていた。口を大きく開け、端から涎を垂らし、本当そこいらの幼稚園児のようにだらし無く、座ったまま寝ていたのだ。
「蝿じゃありません、レーガンです。 仮に妹だとしても、兄の名前も分からないのかな、君は?」
少し、お灸を添える意味も込めてきつくそうレーガンは言う。
そうしたらどうだろうか。目の前の少女はその目を潤ませ、目尻に涙を浮かべはじめたではないか。
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