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真夏の暑い盛り。
天上から降りしきる直射日光が、焼けた肌をジリジリと刺す。
周りには数千の人だかりと罵声、そして熱気。その全てが、今目の前で起こっている事をより引き立てている。
──競馬
それは、イギリスから発祥した、騎手の乗った馬により競われる競走競技。馬のみの動物園と呼ばれるほどに、辺り一面馬、馬、人、馬。
そしてその男レーガンは今、その着順を予想し当てることで大儲けを企てていた。
「ああ……くっそ! 今回もまたビリじゃねェか!」
右手に握り締めた馬券を足元にたたき付け、レーガンが宙に向かい怒鳴り付ける。こんなことをして何かが変わる訳が無い。それは彼が一番よく知っている。
しかし不思議なことに、彼が手にする馬券はことごとく優勝したことがないのだ。
「ちっ。 また今日も酒代が入らねぇじゃねェか」
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