始まり

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俺達の両親は3年前に事故で亡くなった。その後、俺達兄妹は親戚に育てられたのだ。 育てられた、とは言っても育てられたのは「妹」だけであり、既に育ちきっていた俺は、とにかく「妹」のためになる事を考えていた。 当時、不安そうな顔をしていた「妹」は、俺にはとても儚く見えたのだが、嬉しい事に、「妹」は少しずつ笑顔を取り戻し、今では頼もしいくらい元気になっている。 親戚はとても優しくて、何も言わずに俺と妹を引き取ってくれた。近年、遺産に群がるハイエナのような親戚像が一人歩きしているようだが、本当に親切にしてくれて、いくら感謝しても足りないくらいだ。
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