1章

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「おい!陽奈 (ひなた) !美空 (みく) ちゃん外で待ってるぞ!」 リビングから、お父さんの怒鳴り声が聞こえてきた。 「えぇ!?嘘ー!もうちょっと待っててって言っといてー!」 「おいおい…早くしろよ?」 「はぁい!」 と返事だけして、あたしは鏡台から離れ、スクバをもち、急いで階段を駆け下りる。 「おい!陽奈!」 「はいはい、待ってってばー、お母さんに手を合わせるだけいいでしょ!」 急いで仏壇の前に行き、手を合わせる。 お母さんに "いってきます" の意味をこめて。 これは、毎日の日課。 1日も忘れたことはない。 「陽奈!もう行け!」 「はいはい、いってきます。」 「気をつけろよー」 お父さんに見送られ、あたしはドタバタしながら家をでた。
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