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明菜がレジャーシートを広げていると、背後に人の気配がした。
同じクラスの男子が二人いた。
「わざわざレジャーシート持参なんだ?」
同じクラスの男子の、春久(ハルヒサ)くんが言った。
「明菜は用意がいいんだよ」
育実はそう答えておいた。
「芝生にじかに座るのが嫌なんだな」
「明菜がお上品だからね。お弁当も自分で作ってくるし」
「へぇ……自分で作るんだ……」
「わたしも自分で作ってるけどね」
「作れるの?」
「最近作りはじめたの」
「弁当かぁ……おれらは大体パンの時が多いなぁ」
「だけど、自分で弁当作るなんて見直したよ」
もう一人いた同じクラスの男子の、康介(コウスケ)くんが言った。
「そんな……大したモノは作ってないけどね」
育実はちょっと照れて、ドキドキした。
まさか見直してもらえるとは!!
「康介くんは今日はパンなの?」
育実はドキドキしながら訊いた。
今、春久くんがパンの時が多いと言ってたから。
「そうだよ」
康介くんは穏やかな口調で言った。
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