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「喰らえ」
0距離の斬撃だ。
剣の刀身から撃ち出された蒼い光が、視界一面を覆う。
その刹那、ギラーの姿が消えた。
標的を失ったエネルギーの塊は、そのまま前方の壁に直撃し、大爆発を起こした。
壁を抉り、その穴から亀裂が広がる。
「速いな……」
横へ視線を送ると、余裕の立ち姿のギラーが手元で刀をあそばせていた。
やはり、スピードも半端じゃねぇ。
俺は再び、刀身にオーラを注ぎ込むと、距離感そのままに剣を振るった。
幾重もの光の一閃が、まるでシャワーのように剣の切先から解き放たれる。
ギラーは驚異的な速度で横へ迂回すると、そのまま俺へ詰め寄った。
俺の放った無数の光が壁を破壊する中、目前で対峙する俺とギラー。
俺が振り上げた剣と、ギラーの振り下ろした刀が、鋭い金属音と共に、一瞬だけぶつかり合うと、その衝撃によって、俺もギラーも後方へ数mだけ跳ねる。
ギラーの手が背中へと伸びる。
「今度は何だよ」
銃身の長いそれは、おそらく──ショットガン。
どうせ、桁違いの威力の弾丸を撃ち込んでくるんだろうよ。
ギラーの持つショットガンの銃口が、ゆっくりと俺に向けられた。
銃声が鳴り響く。
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